MECE(ミーシー)とは Mutually Exclusive & Collectively Exhaustive の頭文字をとった言葉です
意味は 「互いに 排他的であり その事柄すべてを 包括する」になります。
簡単にすると「モレなく ダブりなく」考えることを指します。
この考え方は世の中の多くのフレームワークに取り入れられる原則です。
何か物事を考える時には必ず 「情報にモレはないか、リストにダブりはないか」と
検討することでよい提案や、戦略を生み出すことができる可能性が上がるのです。
では、具体的にMECEとはどういうものなのか想像しづらいと思いますので
MECEではない例を挙げて考えていきます
MECEではない例
例 1.抜けモレがある
例1 化粧品を作る会社が自社製品のターゲット設定を行う場合
「我が社の化粧品は、『30代の既婚女性』と、『都会に住む女子高生』を狙っているが売り上げが振るわない。どうしたら、どうすればこれらのターゲットにより当社製品を売ることができるだろうか?」
この場合、議論すべきユーザーに抜けモレがあることがわかる。化粧品を使用する女性は上記の年層の方だけでなく、「20代の社会人女性」、「30代のキャリアウーマン」、「地方の高校に通う学生」も存在します。さらには、化粧をする男性の需要も昨今拡大してきております。つまり、設定すべきターゲットがMECEになっていません。
このままプロジェクトを遂行すれば、本来より需要のあるターゲットや、未だ市場開発が進んでおらず市場進出の可能性の高いプールを見落とす危険性があります。
このように検討を始める前に、解決策の方向性が一つに決まってしまっているため、よりよい解決策を見つける可能性を潰してしまっています。
例2.ダブりがある
例 2 都内で個人飲食店を経営している場合
「うちのお店には男性しか来店しない。でも、これから女性のお客様も狙っていきたい。あとは若者をどう呼び込むかも悩みの種だ」
「若者」のグループの中には当然、男性も女性も存在します。
このような場合MECEに沿って考えると
女性の若者と30代以上、男性の若者と30代以上にお客様を4つに分けて考え、どの客層が近年どのように変化しているかと考えることができ、解決したい課題をより明確にすることができます。
例3.抜けモレがあり、ダブりもある
例3 販売店が新商品の販売戦略を打ち立てる場合
「新商品の戦略を立てる。どの客層に対して力を入れていくかを議論したい。これは女性向けの健康商品だから『働く女性』『女子高校生』『子育てママ』の三つに絞り考えよう」
この場合は 女性向けの健康商品の戦略を立てているのに対して、ターゲットを先に三つに絞ってしまうことにより、「子育てから離れたママ」や「女子大学生」「女子中学生」がターゲットからモレており、「子育てをしながら働くママ」は「働く女性」「子育てママ」どちらにも当てはまってしまい、ダブりがあることがわかります。
このような状態で議論を進めた場合、効果的な販売戦略を組み立てることが難しいことがMECEに基づいて考えることで明らかになります。
いかがでしたか?
今回はMECEについて解説させていただきました。このフレームワークはどのようなことにも応用することができとても大切なものの捉え方だと感じております。もし現在何か行き詰まっている課題や悩みがあるのなら一度、MECEに考えて整理してみると良いかもしれません。
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